::セカメン物語

   
  

 投稿者 ::nakato Howitt

「いってきます」
「あら、朝ご飯は?」
「いらないよ。今日はちょっと急いでるんだ」

 いつもはちゃんと朝ご飯を食べる。でも、今日は、急いでるんだ。

 急いでる理由。それは、セカメンの応募--。

 僕にしては、なんて大それたことをしようとしてるんだろうと思う。だってあのセカメンだぜ?
 セカンドライフ内の、美形男子アバターが、その美を競うセカメンに、よりによって、この僕が!?
 自分でも大それたことをしたと思う。でも、もう出るって決めたんだ! もう後戻りはできない。

「帰りは、普通に帰ってこれるから。帰ったら、今夜は肩たたきやってあげるね」
「まあ、なんてこの子はいい子なのかしら! もし何か投票することがあったら、私は迷わずこの子に入れるわ!」

 そう言う母の言葉を背中に、僕は玄関を小走りで出た。

 並木通りを抜けて、横断歩道を渡ると、kanazawaSLingのバス停がある。いつものルートを、いつもより駆け足で進むと、僕の視界に一人の老人が入った。
 重そうな荷物を持ち、ふらふらとした足取りは、いかにも道に迷ってるようだ。

 <今からセカメンの応募に行くんだ! いつもみたいに寄り道してる時間はないんだぞ! nakato!>

 そう心でつぶやいて、僕はまた少しスピードをあげて、ゆっくりと歩いてる老人の脇を通り抜けようとした。

「あ……」

 そういうと、その老人が杖を滑らせ、僕にもたれかかてきた。
 もう、僕の人助けをしたいって気持ちが我慢できなかったんだ。

「だ、大丈夫ですか!?」

 老人は「あ、ああ、すまんのう……」と言って、常人のそれをはるかに超える握力で、ぼくの袖をしっかりとつかんだ。
「道に迷ってしもて」
「あ、案内しましょうか?」
「もう、あしがパンパンじゃ」
 も、もうだめだ! 僕はこの老人をほっとけない!

「おじいちゃん! 僕がおぶってあげるよ!」

「おお、なかなか感心な若者じゃ」

セカメン

 ああ、こんなことをしていて、セカメンへのエントリー時間まで間に合うだろうか……。で、でも……。
 セカメンをとるか、僕の奥底から湧いてくるとてもいい人の気持ちをとるか。

ぼくはこのとき、この老人が、あの倫田太郎(リンデンタロウ)氏だったとは、まだ知るわけもなかったんだ……。

つづく。

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セカメン応募者発表ー!
http://hiroto2.blog91.fc2.com/blog-entry-50.html
鋭意会場設営中につき
投票は明日10日より!
投票期間:5月10日(木)~5月13日(日)23時JST



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One Response to “セカメン物語”

  1. あかね Says:

    続くんですね…(>_